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投稿番号:38059 投稿日:1999年08月14日 01時43分48秒
お名前:のぶれば
 

スタンリーは裏切らなかった

キーワード:夫婦 幻想と幻滅の否定

コメントの種類:洋画


遺作となったスタンリー・キューブリック監督の「アイズ ワイド シャット」…
R指定だけどここに書いても良いのかな?(駄目なら削除してもいいです。)
つい先日、この作品を観て来ました。
話題性の高まりに反比例するような前評判の作品でしたが、私はこの作品、結構気に入りました。
気になるところが幾つかありながらも、何となくキューブリックのメッセージ(私が勝手に感じ取ったつもりでいるだけですが…)に共感してしまうところが数多いのです。
もっとも、キューブリック自身の評「この作品が自分の最高傑作だ。」には反発を感じるのですけどね。

映像的には「シャイニング」と「時計仕掛け…」がちらつきました。そこに彼らしさを強烈に感じたのですが、一番印象に残ったのは、ニコール・キッドマンの視線と動作。ゾクッとすることが、たびたびありました。ただ、映画の中盤の部分は、残念ながら掴み所が見えないのでちょっと受け入れがたいです。詳しく書くと、私という人格を誤解されそうにも思うので、止めておきます。

でも、彼の視点は鋭いです。性に対する幻想と幻滅を徹底的に否定してきます。一般的な男って女って…というイメージのくだらなさをあらためて気付かせてくれます。そういう意味でこの映画は、キューブリック流の、夫婦・カップルへの警告であると同時に応援でもあるように思います。まだ独身の私がいうのも変な話だとは思うのですが…

ところで、ちょうど上映前に、次回上映の予告編の中で「なぜ気づかない」という文字が映し出されましたが、その言葉はむしろ「アイズ ワイド シャット」に使いたいくらいです。とりわけ、終了後階段を降りながら「何が言いたいのか、全然わからんかった。」と手をつなぎながら話していた若いカップルにそう言いたい。
私が結婚したら、一度はこれを一緒に観て、話し合ってみたいなあと思います。

そんな訳で、この投稿にも反発を感じる人が結構いるのではと思いますが、それでも断言するぞ。
「スタンリー・キューブリックは期待を裏切りませんでした。」
少なくとも私にとっては”孤高の巨匠”で居続けてくれたことは間違い無いので候。


fufu(夫婦で〜す)さんからのコメント(1999年08月14日 07時54分31秒)
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  観ましたっ☆
秘密主義の映画なんで、詳しくは書きませんが・・・
この映画、結婚してる人としてない人で、ビミョ〜に
印象が変わってくるのでは・・????

のぶればさんが、おっしゃっられる通り、若い人で、
すごく難解だったと、言う人を見かけます。
ぼくの場合、な〜んか、夫婦でありがちなバーチャルな話って思っちゃった(^_^;
    (あ、疑われると困るんで、ありがちなのは「夫婦間のやりとり」の
     話ですからね。xxxな体験は、あたしにゃ〜ありません。)
そう言う意味で、人によって分かったり分からなかったり、、するんで
 名作なんでは!! して やはりこれは、そう言う意味でR指定でしょう。

  『仲良きことは美しきかな・・』

    * * * * *

●音楽>>あのピアノの旋律が良かった♪
  あんな単純なアプローチの仕方があったなんてと、、、
   感心しました。 ド単純!!メロディー以前の旋律〜♪
  もうピッタリ〜♪

●映像
  高感度フィルムを多用して、独特の雰囲気。
  すごく昔のフィルムを観ているようでした。
  それは、画像だけでなく、全般にでした。
雰囲気で言えば、映画と言うより、「オペラ」かなにかを鑑賞しているような
気持ちでした。

ひろPさんからのコメント(1999年08月15日 14時50分21秒)
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 ちは、8月12日に観てきました。
 夜の10時過ぎからの回でしたが若い人を中心に結構はいっていました。
 中身ですがニコール・キッドマンの身体が引き締まった筋肉質で、わたし的には美しいと
言うより迫力の様なものを感じましたが、役どころが成功した医師の妻にしては、パーティーで酔っ払ってダンディーなおじ様にナンパされたり、マリファナでラリって士官との妄想を告白したりと
女の下品な部分が印象に残りました。
 わたし(♂)はパートナーがいませんが、もし相手がいてこの映画を一緒に観たとしたら女性不信
になるのでは?と思いました。
 仮面に象徴されるように、男は社会的道徳や地位に縛られていると感じました。
(R指定て腰振ってるってことなのかな?仮装パーティーに出てきたお姉さんたちがナイスバディでみとれてました。(^_^;))


のぶればさんからのコメント(1999年08月23日 21時02分59秒)
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fufu(夫婦で〜す)さん、ひろPさんコメントありがとうございます。
評価がばらつくというのは、スタンリー作品の宿命なようですが、この作品もいろいろ観方があるなあ、と感心してしまいました。有る面、彼の作品は観る者の本音に気付かせてくれる、鏡のような性質を持ってるかも…なんて思ってしまいました。

>な〜んか、夫婦でありがちなバーチャルな話って思っちゃった(^_^;
そうなんだろうなあ、と独身の私に言えることではないのですが、ありがちな恋愛や夫婦間の鉄則みたいなものが、否定されているように感じたんですよね。「愛とは信じること」等というメッセージより、その場の雰囲気や出会いのタイミングなどに思いっきり揺さぶられてしまう、けれども絆はそう簡単には切れないそんな夫婦の関係を描いた、この映画の方が現実味を感じさせてくれました。

>もし相手がいてこの映画を一緒に観たとしたら女性不信になるのでは?と思いました。
>仮面に象徴されるように、男は社会的道徳や地位に縛られていると感じました。
案外、今まで女性過信だったかも知れないなんて私は反省してしまったのです。
「何を勝手に女の虚像を思い描いているの?」とでも言いたそうなキッドマンの視線。
トム・クルーズ扮する医者の紳士と俗物の行動、あれはどっちが本当だろ?
「男は紳士を演じるのが理想」と言う常識?を蹴っ飛ばしてくれました。きっとスタンリーは縛られていることからの開放を訴えたかったのでは?と思うのです。

>私が結婚したら、一度はこれを一緒に観て、話し合ってみたいなあと思います。
もし、私の横にパートナーがいたなら、こんな話になるかも知れないと思ったのです。
「正直に言うよ、トム・クルーズのようなことをしてしまう危険は僕にも有る。」
「できるなら、私が許せる範囲に押さえておいてね。」
「ところで君は大丈夫?」
「あなたがギリギリ許せる範囲で収まるようにしたいと思ってるわ。」
こう言う関係って冷めてるのでしょうか?違っているかもとは思いつつ、独身男の勝手な解釈を許してもらうなら、こんな余裕と危険性が混在しながらも、夫婦で居たいって関係が現実の夫婦の様に思うので候。



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