観ました。なるだけゆったり観たいと、ナイトショーで。
どうやら私は奇を衒った観方、書き方をしてしまうところがあるようで、
以下もあんまり間に受けないほうが良いかも知れません。(と、但し書きをして…)
「ナウシカ」や「もののけ」のような作品群とは明らかに一線を画していると思いますが、是非、観て欲しいです。それも小学校高学年との親子なら、別々で。子どもには、お金だけ渡して「観てきなさい。」って。親は後から、こっそり…。そんな感じがします。
宮崎監督自身、「この映画は70年代に書かれた児童文学の「霧のむこうのふしぎな町」から発想のきっかけをもらった」と語っていますが、我が意を得たりです。この本は、確か私が小学五年生の時、夏休みの読書感想文の課題図書の一つで、買って読んだ本です。その時は「男のくせに、そんな本を選ぶな」と友だちに笑われながらもとても印象に残っている本でした。で、映画を観る前から、そんなイメージと重なる部分があって個人的には、「千と千尋…」は興味津々だったのです。
そのせいもあって、私は「霧のむこうのふしぎな町」の本に案内されるようにして、10才の夏休みをたくさん思い出しました。
さて、千尋は宮崎監督が言うように、本当に今の時代普通に居る10代の女の子が描かれているのかどうか…。現実はもっとひねているんじゃないか?なんて思うのです。ただ、少なくともその子たちが持っている「もう少ししっかりしたい自分像」と重なる部分はあるんじゃないかな?という気がします。実際10代の女の子が観るとどう思うのかはわかりませんが。
ただ、はっきりと言えるのは、「魔女の宅急便」のキキよりもっと千尋は幼くて、まだ自分の意思よりも他からの半ば強制的な動機付けで、動いていきます。映画の始めとラストを比べても成長したのかどうかはっきりしない。でも…。
一方で、悲しくなったのは、この映画にでてくる大人達。
10代にとって、現実の大人がこの映画の大人の様に見えているとしたら、ぞっとしてしまう。とりわけ、カオナシは今の自分と重なる部分が見え隠れしてしまう…
映画全体としては、率直なところ、嬉しいのか、悲しいのか良くわかりませんでした。
それは多分に自分が歳を取ったからであって、もっと子どもであった頃にこの作品を観ていたら、素直に嬉しくなれた様な気がします。でも、この年になって観たからこそ得られたものがあるような気もして…
まあ、結論的にはこの映画、けっこうのぶればは気に入ってます。
例に漏れず、書きたいことはたくさんあるのですが、ひとまずはこの辺で失礼し候。
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