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遺伝子操作 |
キーワード:遺伝子操作 地域:北陸 最近、遺伝子操作を行った農産物について興味を持ったので検索をかけたらこちらに出ました。 現在遺伝子組み替え農産物の表示、非表示について国際的に議論が白熱しているようです。 遺伝子組み替え技術による農産物について皆様がどうお考えなのか、お答え下さると幸いです。 古い投稿に対するレスになってしまって恐縮ですが、 検索した結果出てきた投稿について、思うところがあったのでこれも付け足します。 >「種、あるいは種の中の個体の多様性は、遺伝子情報によるものか」ということです。 これは半分YES、半分NOです。 「種、あるいは種の中の個体の多様性は、遺伝子情報だけによらない」です。 実験動物の世界では統計的な誤差を防ぐため、近親交配を繰り返し、遺伝子背景を出来るだけ均一にした動物が求められる事があります。 ただし、一定の飼育条件、そして感染症に感染していないことが前提条件になります。 これでも実験の結果は完全に一定にはなりません。 飼育条件を変えてしまった場合や感染症を引き起こしてしまった個体が混ざってしまった場合には全く異なった結果が出る場合もあります。 これで答えになっているでしょうか? >宗教、倫理、死生観等の問題は、基本的に個人の価値観によるものであり、臓器移植についてや、脳死と心停止のどちら>を人の死とするか等のことは、各個人が判断し選択すれば良いことだということは間違いありません。 >わたしがただ一点納得できないのは、臓器移植を含む移植医療が進展することは当然ながらクローン技術を倫理的、技術>的、経済的に推進することにつながり、その結果としてクローン人間製造の正当性を支えることになる。 確かに臓器移植は遺伝的背景が近い方がHLA抗原型が一致する可能性が高いです。 そして移植臓器安定供給のためクローン化の研究も進んでいるはずですが、これは人間を使うわけではありません。 人間に移植可能な臓器を他の動物で生産する、です。 要は移植により、障害のある臓器の機能が回復すること、拒絶反応を起こさないことが満たされればいいわけです。 必ずしも同じ遺伝子を持った生物である必要はありません。 先天性の白血病治療では発病前に正常な造血管細胞を凍結保存しておき、発病した際に正常な細胞を培養し個体に戻すという治療法が考えられています。 これも個体としてのクローンを生み出す治療法ではありません。 >同じ遺伝子を持つ個体が多数存在すると言うことは、様々な環境に対しての生命としての適応能力の低下を招くことにな>る。 >その結果として、人類、あるいは地球上の全て種の多様性が損なわれ、最終的には人類やその他の種を絶滅に追い込む可>能性が有る。という、科学的な推測が、間違っていると思えないことなのです。 >わたしも、自分の身体か誰かの役に立つとか、誰かを救うということを考えると、臓器移植、どうぞしてくださいと言い>たいのですが、上記の理由で反対せざるを得ないのです。 >一人や二人の人を救っても、人類全体を滅ぼすことに手を貸すのであれば、自分の行為は全く矛盾、いえ結果の規模から>考えれば、悪でしかないとしか思えません。 >このような私の科学的推測を完全に否定できる、根拠を誰か教えてください。 >京大のある教授の最新の研究結果では、「種の多様性は遺伝子によらない」といったものもあるやに聞いております。そ>ういった科学的論拠を持って私が安心してドナーになれるよう、どなたかお願いいたします。 現在認められている遺伝子治療は導入した遺伝子を次世代に残さないこと、これが前提条件になっています。 これはいうまでもなく個人の遺伝子を人為的に改変し次世代に伝えることを禁じているわけです。 これは例え家族性の遺伝子疾患においても同じです。 同じ病気が次世代に伝わる可能性が極めて高くとも、その遺伝子を人為的に改変することは禁じられています。 なぜ兄弟婚が認められないのか?道徳的に近親相姦が悪とされるのか? これは劣性遺伝子が顕在化してしまうことにより極端に虚弱体質な子供が出来てしまうことが理由ですが、遺伝的背景が似通った子孫を残してしまうことを避けるためだともとれます。これは後天的な道徳観念によるものと考えていますが、種としての多様性を失う危険性を人間は知っているということです。 |
>遺伝子組み替え技術による農産物について皆様がどうお考えなのか、
話がかなり多岐にわたっていますから、まずはこの話への回答からおこないたいと
思います。
「遺伝子組み替え技術」は、実際のところ経済的政策をバックボーンにすすめられて
います。基本的には「安定供給」という言葉に集約されることが多いのですが、
整理してみると次のような目的があることがわかります。
(1)政策的に数値的な管理が可能な供給体制システムの構築
(2)反政策的な因子(病気、害虫、天候障害など)から供給体制を防衛する
(3)そのノウハウを波及させてゆくうえでの国家(または政策遂行者)間の
上下関係の確立
***
では、解説します。
(1)政策的に数値的な管理が可能な供給体制システムの構築
もうこれは言うまでもなく、食糧を政治的な目的に利用しやすくするため、
人為的に「金のなる木」のようなシステムを持ちたい、という為政者側の
要望です。食糧を政治的に利用する方法としては、兵糧責めや価格操作等
が代表的ですが、流通システムまで拡大すると、さまざまな薬剤の混入や
特定地域、特定国の食文化や国民的な栄養状態まで変化させることができ
るようになる(と信じている為政者がいる)のです。また、遺伝子操作に
頼らなくても「F1品種」(有効期限が一代限りの改良種)の輸出によっ
て相手国・経済圏の市場価格や農業政策をコントロールすることはできま
す。
(2)反政策的な因子(病気、害虫、天候障害など)から供給体制を防衛する
その政策的な供給体制を実現するためには、設定数値の誤差を生む要因
を潰さなければならないわけで、そのためにかつては農薬と品種改良いう
方法がとられましたが、どうも農薬では自然に対抗できないことがわかり
ましたし、かけあわせを基本とした品種改良ではあまりにも時間がかかり
すぎるわけで、為政者は「情勢判断の速度に適応した防衛手段」を求め、
その結果のひとつが、たとえば遺伝子操作だったりするわけです。
(3)そのノウハウを波及させてゆくうえでの国家(または政策遂行者)間の
上下関係の確立
これらのノウハウは、政策的に諸国へ販売することができます。
これはコンピューターの世界におきかえればすぐにわかることで
すが、システム販売というのはほぼ永久にお金を吸い上げる商売
です。そして、その販売者は常に利用者に対して指導的な立場を
とることができます。これをさらに拡大すると、格付けができる
立場を得ることもできるわけです。たとえば「某国はわれわれの
開発した新技術を導入していないので、最近流行っている●●病
によって生産量が低下するおそれがある」というようなことを、
もっと「わかる人だけにわかる言葉や記号を使って」伝えます。
これによって国債や株価などの操作がしやすくなるでしょうし、
何より(その他の外交政策などと組み合わせると)特定の国の信
用的背景を決定的に握ってしまうことができるわけです。
***
ここでは「遺伝子組み替え技術」を利用した食べ物の安全性については
あえて触れませんでした。もちろんそのような「政治的影響を色濃く受
けた食品」など口にしたくもないし、どういう結果を導き出そうとして
いるのかも読めないし、何より毒とも安全ともつかないという不安があ
る以上、できれば避けたいのです。
しかし、既に「遺伝子組み替え食品」はわれわれの食卓に大幅に用いら
れていますし、これは到底個人のレベルで対応できる状態とはいい難い。
これはもう半ばあきらめつつこうして議論するしかないと思っています。
ただ、たとえば米国は「遺伝子組み替え食品」を容認する一方で「非遺
伝子組み替え食品」の認証制度という、別の格付け手段を用いて消費者
をあらゆる面から政策的に管理しようとしているわけで(もちろん米国
以外でも行われています)、こういう目的のために食糧を利用し、さら
に食糧の質にまで手を着けようとしている現状は面白くありません。で
すから僕自身は「遺伝子組み替え食品」そのもののメリットについて、
公の場で語らないと同時に、「非遺伝子組み替え食品」の宣伝にも直接
協力しないようにしています。どうもこの2つの存在はどちらも同じ為
政者によってコントロールされていて、政策遂行のために利用されてい
るように思うのです。
Larsさん、こんにちは。わたしの古い発言にご回答いただきましてありがとうございます。
さて、遺伝子組替え農産物についてですが、既に店長川崎さんから政策的なことは語られている
ようなので、安全性に関る問題についての私の考え方をお話したいと思います。
はっきり言って、遺伝子組替え農産物についての状況は、これまで近現代科学が行なってきた行
為が集約されています。
新しく開発された技術を使って新しいものは創り出すが、それがどのような影響を及ぼすかとい
うことは全くされずに、その開発された目的の利便性のみを享受しようとして、結果としてとり
かえしのつかない甚大な損害を被るということです。
もちろん、遺伝子組替え農産物が完全に危険であると検証されたわけではありません。
ですから、私の推論が正しいと言い切ることはできませんが、安全であるという検証がなされた
ともいえませんので、不確定の要素がある、つまり、結果はあなた自身の体で検証してください
と言っているのと同じだと思います。
私自身はその行為はあまりにも無責任だと思いますが、それが合法的で合理的なことなのだと認
められたのであれば仕方がないでしょう。
ただし、それを口にするかどうかについては、消費者として選択する権利は確保されなければ民
主的とは言えないでしょう。
その意味では、日本国内での動きとして表示を義務づけるといういうことは当たり前のことであ
り、食品メーカーがそれに反対するということは、かえって安全性に問題があると知っているこ
とを隠そうとしているのかと疑いたくなります。
あるいは、消費者を自分たちが支配しているとでも思っているのではないかと思えます。
遺伝子組替え農産物が危険であるかどうかについては、まだまだ検証の時間を要すると思います
し、それがわかるまでには相当な長い期間が必要だと思います。
安全であるという可能性もありますが、その実験を一般の人々を使って行うような行為を何故す
るのかという意味で、本当はまだ市場に出るべきものではないと思います。
私の以前の発言に対する回答については、ここでまた論を展開すると混乱しそうなので、ここで
の私の発言は控えたいと思います。
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